香港です。21日に帰国予定。
ホテルのテレビで日本のNHKが映るのですが、
もう落ち着いたかのようにニュース以外の番組も流れていて
安心感も得られる一方で、海外テレビ番組ではずーーーっと
日本のニュースが流れています。
この温度差に疑問も感じている中、興味深い記事があったのでご紹介します。
「米メディアが見た東日本巨大地震」
東北・関東を襲った大地震発生と同時に、
米メディアは大規模な取材力を投入、
連日現地からのレポートを視聴者に送っている。
その規模は、おそらくイラク戦争開戦直後の取材体制に匹敵するだろう。
24時間ニュース速報を流すケーブルテレビのCNNやフォックス・ニューズは
ともに看板アンカーマンを送り込み、現場の状況を時々刻々送り続けている。
ニューヨーク・タイムズなど主要新聞は、
アジア各地から特派員を日本に集結させる一方、
本社から地震や核問題の専門記者を特派している。
アメリカのメディアがこれほど人とカネを使って
「日本」に関して報道するのは何年ぶりだろうか。
ここ10年、米メディアの日本への関心は急速に薄れていた。
政治決定のできない、変わり映えのしない政治。
「失われた10年」の残渣をいまだに引きずる日本経済。
日本は輝きを失ったままだ。米メディアにとって日本は、
ニュースバリューの低い国になっていた。
西海岸の雄、ロサンゼルス・タイムズの日本報道は
朝鮮半島に関する報道の“おまけ”のような扱いだった。
ソウルに常駐する特派員が時々東京にやってきては、
当たり障りのない話題を送るといった取材体制だった。
その反面、米メディアは、軍事力を増強する
世界第2の経済大国・中国へは次々と特派員の数を増やしていた。
ニューヨーク・タイムズなどは「雨の日はあっても中国の記事の出ない日はない」
(カリフォルニア大学バークリー校ジャーナリズム大学院のトム・ゴールドスタイン教授)
そして私が日本に誇りを持ったのがこの記事。
ニューヨーク・タイムズでかつて東京特派員を務めたコラムニスト、
ニコラス・クリストフ記者は、地震発生直後の3月11日付けで、
1995年の阪神淡路大地震を取材して
目撃した日本人の対応を引き合いに出して、こう書いた。
見出しは、「Sympathy for Japan, and Admiration」
(日本への同情、そして尊敬の念)。
「これから数日間、日本を見守ることで、私たちは何かを学ぶこと請け合いだ」
「地震が起こった後の日本政府や行政の対応は、
後手に回るだけで話しにならない。
だが、事を処するに当たって日本の一般市民が示した弾力性とストイシズム、
規律正しさには驚くべきものがある。日本語に『Gaman』(我慢)という言葉がある。
英語では同じ意味の言葉はないのだが、
あえて言えば『Toughing it out』といった意味だろうか。
日本の被災者は驚くべきGamanをもって、秩序を守っている。
あの大地震の後、水や食糧を求める長い列に黙々と並ぶ。
自分のことは傍らに置いて、他人を助ける。
商店から商品を盗み出すなどといったことは論外だ」
「阪神淡路大地震の時に、日本でも商店から物を盗み出すものがいるか、
について取材した。この最中、ものを盗まれたという商店主に出くわした。
私が『こんな時にものを盗む日本人がいることをどう思うか?』と聞くと、
その商店主は驚いたような顔して答えた。
『誰が、日本人が盗んだ、と言ったかい。盗んだやつは外国人だよ』。」
「今ウィスコンシン州やワシントン州で起こっている
激しい政治論争やデモとは対照的に、日本人は一致団結して、
この国難に立ち向かうだろうと私は予見する。
我々アメリカ人は深甚から日本の方々に同情申し上げる。
それと同時に、まもなく我々が目撃するはずの
日本人の弾力性と我慢強さに最大級の尊敬の念を送りたい」
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