現在、世界で最も人口の多い国は中国だ。しかしあと15年も経過した2026年になれば、インドがその中国を抜いて最大の人口を抱える国となる。その人口数は14億7100万人と予想されている。
経済成長に関しても、現時点で経済成長率9.0%を叩きだし、いま最も勢いのある国だと言えるだろう。そんなインドが、ITの話題でも注目を集めそうだ。
それはわずか35ドルの小型パソコン。インドのカピル・シバル人的資源開発相が2010年7月22日に発表したところによると、インド政府とインド工科大学などと協力してその低価格なパソコンの開発に成功したという。35ドルというとわずか3000円程度!
その35ドルパソコンは教育用限定で販売され、2011年から教育現場で使われる予定だという。学生や子供たちをターゲットにしてITリテラシーの向上を狙うんだろうなぁ。当面は台湾にて製造されるという。そして最終的には10ドル(!)で販売されるというからびっくり。
気になる仕様は、タッチスクリーンを搭載したタブレットタイプでOSはLinux、メモリは2GB、Wi-FiもUSBも搭載しているそうだ。ちょっとiPadに似てるかな。それが35ドル(ゆくゆくは10ドル、約1000円)…値段の割にはかなりの高スペック。しかも現在、インドで販売されている低価格PCが安くても2万5000ルピー(530ドル)というから、どれだけスゴイかがよくわかる。
あれ、何年か前に低価格PCって話題になった気が……と思ったならスルドい。MITが2005年に100ドル前後の低価格ノートPC「OLPC」を発表し、新興国で発売している。しかし、実際のところ普及しているとは言い難い状態。最新の計画だと、新モデルはタブレットにするとか言ってるみたいだけど……。
そんな絵に描いた餅のようなMITの計画に呆れぎみのインドがこの35ドルPCを打ち出したってわけだ。なお、開発に際して有名企業にも相談したものの熱意のある対応がなかったため、政府と大学との共同開発となったのだそうだ。
強力な経済成長と人口の爆発的な増大が予想されているインドが、こういったIT基盤を広く持ったらいったいどんなことになるのか予想もつかない。
もう数年もすると、最新IT技術の発信源はアメリカとか日本でなくインドになっているかもしれないですね。
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